<読書ブログ>「9割捨てて10倍伝わる要約力」山口拓朗

読書ブログ

仕事の報告・連絡・相談をするとき、

友人に映画のあらましを教えるとき、

自分がどういう人間なのか、簡単な自己紹介をするとき…

人は様々な場面で伝えようとします。

人に何かを伝えるとき、「要約力」があるかないかで伝わり度合いが変わります。

「9割捨てて10倍伝わる要約力」山口拓朗

この本は、最短・最速のコミュニケーションで成果を最大化させる方法として、要約力が重要であると説明しています。

著者:山口拓朗さんはどんな方?

伝える力【話す・書く】研究所所長。山口拓朗ライティングサロン主宰。出版社で編集者・記者を務めたのち、2002年に独立。現在は執筆活動に加え、講演や研修を通じて実践的ノウハウを提供。著書15冊以上。伝え方の本質をとらえたノウハウは言語の壁を越えて高く評価されており、中国・台湾・韓国など海外でも翻訳されている。

ここからは、私が重要だと感じた内容を記載していきます。

  • 「要約力」とは「死んでもこれだけは言っておく!」を見つけること。
  • だらだらしゃべることで相手の時間(命)を奪わない
  • 要約のキモは「誰」に「何」を「どう」話すか
  • 目的を明確化する

私はこの本を読んでから、上司に報告する時、まず

「死んでもこれだけは言っておく!」を考えるようになりました。

相手の時間を奪うことは、相手の命を粗末にしていることに他ならないからです。

伝える相手と、何をどう話すか、また、その目的を明確にすることで、「死んでもこれだけは言っておく」が考えやすくなります。

次の順番で相手に伝えることが理想です。

  1.相手のニーズを満たす情報

  2.相手が喜びそうな情報

  3.自分が伝えたい情報

ついつい3の、自分が伝えたい情報から始めてしまう方が殆どなのではないでしょうか。

1や2を最初に伝えるためには、日ごろからコミュニケーションを密にし、相手の言葉を真剣に聞いて相手を理解する必要がありますね。

  • <この反応を必ずもらう>と自分が決める
  • 「相手の反応を決める」=具体的にイメージする

自分が相手に伝えた後の反応も、事前に決めておくのです。

素晴らしい方法だと思いました。

まるでナポレオン・ヒルの「思考は現実化する」の世界ですね!

相手の反応を具体的にイメージしておくのは、とても重要だと思っています。

「反対されるだろうな」「批判されるだろうな」という結果を想像しながら相手に伝える内容を考えるのと、

「絶対にYESと言わせる!」「よくやったと褒められる!」という反応をもらう事を決めてそれを考えるのとでは、結果が変わってきて当然ですよね。

また、その場の雰囲気や情景などの非言語情報も、丁寧に収集し、整理し、伝えることが重要だと言っています。

  • 脳内に情報アンテナを張る方法→脳に命令するだけ「RAS」が勝手に探してくれる
  • 情報収集で注意すべきは思い込み
  • 認知バイアスに気を付ける
  • メタ認知力を高める

情報を収集するには自分の脳に命令するだけでいいのですが、注意すべきは「思い込み」です。

人間には認知バイアスがあります。

新しい情報に触れるときは「思い込み」や「偏見」を捨てることを意識して、できるだけフラットな状態で吸収することが重要です。

そのためには、メタ認知力を高めることが必要で、普段から物事を俯瞰ふかんして見る習慣をつけ、感覚を養っていきたいものです。

  • 観察力洞察力が大事
  • アナロジー(類推)の活性化

見えている部分を観察する力を付けることで、見えない場所への洞察力が高まっていきます。

観察によって認識する物事の量を増やすことこそが、本質を見抜く力(=洞察力)のパフォーマンスを上げる唯一のアプローチだと筆者は言っています。

本質を見抜く力が付くと、アナロジーを活性化することができます。

アナロジーとは、既に知っている情報や経験を未知のジャンルに転用することです。

これが磨かれていくと、新しいアイデアや問題解決策を提供することができるようになるそうです。

  • 相手のパーソナリティを把握すると、より生産性の高いアウトプットが可能になる。

前に記載した「相手のニーズを満たす情報」「相手が喜ぶ情報」を伝えるためにも、相手のパーソナリティを把握することは重要だと考えます。

論理を大切にする上司に情熱的なアウトプットをしたところで、相手のニーズを満たすことは難しいでしょう。

ここでも、相手を理解することがポイントになってきますね。

  • 抽象情報⇔具体情報の習慣化
  • 最適な言葉選びができるようになるとアウトプットの質が高まる
  • 幹→枝→葉の順に話す

伝える情報を抽象的なものかあるいは具体的なものか、最適な言葉を選択することができると、アウトプットの質が高まるのです。

普段から、言葉を抽象化⇔具体化してみる練習をしていくことが「要約力」の強化にもつながります。

また、冒頭でも出した「死んでもこれだけは言っておく!」を実現化するためにも、「幹」の部分から話すことは必須ですよね。

状況に応じて、「枝」、「葉」の順で話していくことです。

  • 具体化グループ思考
  • 優先順位思考

グループ分けで効率的に情報を整理することができます。

1つ目は具体化グループ思考です。

似たもの同士でグループ分けをしておきます。

大きなグループ分けから細かいグループ分けまで脳内整理しておくことで、アウトプットの際必要な情報を取り出すことが可能になります。

2つ目は優先順位思考です。

その名の通り、優先すべき情報の順位づけを思考のことです。

「死んでもこれだけは言っておく!」のためには必須思考ですね。

  • ひと言で言うクセをつけると、ものごとの勘どころをおさえられるようになる
  • 数字・固有名詞を使う
  • 相手の質問の意図を見抜いて的確にこたえる

「今の説明は○○ということですよね」

ひと言で例えられるようになると、自分の理解度も確認できますし、相手にも「そうそう!そういうこと!」と喜んでもらえるでしょう。

上司に報告する時など、分かりやすく説明するためには「数字」「固有名詞」を使うことが効果的です。

これなしでざっくり説明しようとすると曖昧さが出て、上司が欲しい内容にはならないでしょう。

相手から質問をもらった場合は、その質問を最後までしっかり聞き、相手が求めている答えを的確にこたえられるようにしたいものです。

  • 要約力を強化しよう→主体的に生きよう!

著者の山口さんが言いたかったのは、このことなのです。

要約力を高めることで他の誰でもない、自分の人生を主体的に生きる、ができるようになる。

人任せにせず、主体的に情報を収集し、整理し、アウトプットする。

それができれば自分の人生を自分の足で歩むことができるのです。

そのためにも相手の言葉に耳を傾け、

相手を理解すること。

相手が欲しい情報を選択してまず伝えること。

情報に対して思い込みのないフラットな頭でいること。

そして相手の反応を具体的にイメージしておくこと。

毎日のコミュニケーションが要約力を高めることにもつながっていきそうですね。

日々アウトプットしていけるように、これらを意識して過ごしていきたいと思います。

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